観劇記も書きたいのですが……ちょうど帰ってきた直後なのでこちらから。コンサートはいわゆるネタバレの心配がないですしねー。

１．席：いきなり全然内容と関係なしじゃん。

チケットは当日渡しで予約してありまして、本日会場で受け取ったところＤ列１０番。４列目かーと思っていたところ、舞台中央を迫り出したので何とＤ列が最前列とのこと。つまり、最前列のほぼ真ん中でした。うおお、幸せすぎる！

で、ちゃっかりとファン有志からの花束を渡す大役を仰せつかりました。初めてだったんですっかり緊張しましたが（震えて花がカサカサ言っていたそーな；）握手もしてもらいまして、大満足。駒田はじめさんという役者さんに出会うことのできた２０００年、素晴らしい締めくくりとなりました。

２．衣装：お約束ですねん♪

出てくるなり、仰天。白いポンポンのついた帽子、ブルー地にキューピーちゃん柄、足元はスニーカー型綿入れモコモコの室内履き。いやもうすごく似合ってて、可愛い、可愛いですけど……何でパジャマなのっ！？

まあ、これにはちゃんと由来が。お芝居の中で駒田さんの演じる役＝泥棒のヴィトが無理やり一夜の宿を貸してもらう場面で「ピジャーマってやつは着ないのかい？あんたはぽんぽんのついた帽子を被るんだろ？」というセリフ（うろ覚え）があるのです。で、駒田さんいわく「ヴィトはちゃんとジミーの家に住み着いたってことで」……なるほど。確かに駒田さんが立っているステージは、昨日までは舞台＝ジミーの家。一晩といわず同居するようになったのね。それにしてもキューピー柄で帽子に室内履きまで。ヴィト〜、くつろぎすぎ。

と思っていたら、今日は客席に相手＝ジミー役の鶴見辰吾さんがいらしてまして、舞台にひっぱり上げられるや「何もかもやりすぎだよ、ヴィト！」セリフで的確に突っ込んでいらっしゃいました。うまい(^^)駒田さんも「楽器持ち込んでこんなにしちゃって（オープニングから銀の紙吹雪で舞台はキンキラキン）、悪いなあ。ちゃんと片付けるからねえ」等と仰ってました。

３．トークと演出：ライブの醍醐味

「声の調子が悪い」ということで、あの「トークのコンサート」な駒田さんが「トークは少なめに」と宣言。えーと意外そうな観客に「だからしゃべりすぎてたら誰か止めてね」……やっぱり駒田さんでした。

ゲストには宮川浩さんがいらっしゃってました。（うっとりするきれいなお声で２曲歌われました）駒田さんとは親しいお友達ということで、けなしあい（笑）の微笑ましい会話が弾んでました。駒田「一緒に仕事はないよねえ」宮川「っていうか、断ってるし」駒田「はい、ありがとうございましたー、拍手でお送りくださいー」宮川「まだ歌ってないよ、歌わせてくれ！照明消すな！」とか、駒田「相変わらずきれいな声だね。ちくしょ、おれのガラガラが目立つじゃねーか」宮川「お前は声きたないねー！」（注：冗談ですよ。全然汚くないです。ハスキーですが）といったかんじ。（セリフはうろ憶えですから〜）誉め言葉といえば「（パジャマが）似あってるよ」くらいでしたかねぇ？

さて、また歌の紹介フライング気味ですが、定番ナンバーの演出について。衣装はいつもの、黒の帽子と燕尾にキャンディーと色とりどりの風船を縫いとめた衣装。大好きな歌なので、当然私はノリノリです。

と、「風船みたいに……」という歌詞にさしかかったところ、ちょっとした合図。何と、上から風船が降ってきたのです。客席の１〜２列目上の天井に仕掛けがあったようで、最前列の私が上を見上げると視界一面に迫り来る色とりどりの風船が！思わずわーっと声が出てしまいました。いやん、まるでハルミみたいな演出♪等と我田引水に大はしゃぎ。大好きですねえ、こういうの。発案者はどなただったのでしょうか？大喜びの客席に、ちょっと得意そうな笑顔の駒田さんが可愛かったです(^^)

４．歌：毎度うっとり語ってますが〜

駒田さんのソロ・コンサートは実は初めてでして……こんなに怒涛のように駒田さんの歌を聴けちゃって何て幸せなのーーーっ！？状態でした。もう次から次へと、大好きな歌があの声で歌い上げられるー！

舞台の真っ最中ということもあり「今日は声の調子が悪くて……」もともとのハスキーなお声がグレードアップ気味でした。でも子宮に響く（オイオイ）甘さはいつものとおり。伸びやかに楽しそうに歌われるので、伝染性なのもいつものとおり。いつものとおりじゃないのは、私の列がかぶりつきの最前列ということ。至近距離での迫力を、手拍子足拍子で存分に楽しませていただきました(*^^*)

本当にたくさんの歌ってくださったのですが、その割にはあっという間で。ファンの方にはおなじみのナンバーがほとんどでしょうか。何度も歌われている曲はもう完全にお芝居になっていて、陽気なピアノ弾きの心情等には、ちょっとほろりと行きそうになりました。

今回生で聴けていちばんうれしかったのが「おいらが子供であったとき」……シェイクスピアの「十二夜」のラストで、道化のフェステが歌う曲。新参ファンの悲しきお約束で舞台は観ていないのですが、戯曲（小田島雄志訳・白水社）は読みまして、これがとても素敵な歌なのです。

「おいらがこどもであったとき　ヘイホウ　風吹き雨が降る
　おいたは笑って済まされた　雨は毎日降るものだ……」（わ、歌詞違ってそう；）

の調子で、おいらが大人になり、結婚して寝たきりになり、その間も毎日雨が降り（イギリスですからね）……

「この世はいつでも大騒ぎ　ヘイホウ　風吹き雨が降る
　それでも芝居はおしまいだ　おいらは毎日笑わせる」

で結びます。毎日いろいろな事件があるけれど、毎日雨が降るのと同じくらい当たり前のことで、この芝居はここで終わり。おいらは、そういう当たり前のことを語って、これまでもこれからも毎日人々の心を楽しませる……シェイクスピア的な歌詞だと私は読みまして。

お芝居や、歌や文章や、そういったものには直接目に見える価値はありません。そのかわり人の心に響いて、くすりと笑わせたり、幸せな気持ちにしたり勇気づけてくれたり、ときには人生をも変えてしまう、目には見えない力があります。そして駒田さんの歌声やお芝居は、その力＝まるで魔性の魅力に満ち溢れています。

（このへんは、私が文章を書くときに込める祈りでもあります。それも、特別なドラマチックな物語ではなくて、日常の何気ない出来事、イギリスの雨のように毎日の当たり前の出来事の中に、実は幸せのすべてはあると思うのです）

今日の駒田さんはこの歌の最後を、「おいらは毎日歌ってる」で締めくくりました。彼が人に幸せを届ける今日の媒体は、歌でしたから。（劇中でも「笑っている」ヴァージョンと「歌っている」ヴァージョンがあったそうです）駒田さんから歌やお芝居やその他を通して元気や幸せをいただいている私には、この曲は「私にとっての駒田さん」そのもののように感じられるのです。

あー、生で駒田さんの笑顔を目の前に聴けて、大満足(*^^*)……こっそり申し上げると、笑顔だけでもなかったんですが。

とまあ、例のごとく勢いのままに、書いてみました。総括は言うまでもなく、大満足！最高！でした。……さて両腕がだるいのは一気にワープロ打ちしたからなのか、手拍子の筋肉痛なのか？謎のまま、校正もせずにアップする次第。

何と言っても大晦日のコンサートでしたので、涙を呑んで来られなかった方のために、少しでも幸せ（というか、イッちゃった脳味噌？）のお裾分けになれば、のご報告でした。